どう対策するか?「介護人材不足」あなたの施設は大丈夫?

今、最も需要が高まっている仕事、介護職。これを読んでいるあなたは、きっと介護業界で働き、この人材不足問題に頭を抱えていることでしょう。

「人欠でシフトが組めない!」「退職者が多い!」等、様々な問題があると思います。

そんなあなたに、介護業界の人材不足の現状と国が掲げる対策について、分かりやすくまとめてみました!!

介護人材不足の現状は?

日本全国で介護職が不足していると、よくニュースで耳にしますよね。
では、厚生労働省や経産省が公表しているデータをもとに、具体的に現状を見ていきましょう。

現在の介護職数は?

厚生労働省は、調査の結果、平成27年度の介護職数が、合計183万人であるを公表しました。

福祉・介護人材の確保対策について
※厚生労働省「介護離職ゼロ」に向けた介護人材の確保対策について 参照

平成12年に比べ、約3.3倍も増加していることから、介護職は激減しているわけではなさそうです。では、私たちの近い将来、介護職はどれくらいの数が必要になるのでしょうか。

2025年には43万人、2035年には79万人も介護職が必要??

将来の介護需給に対する高齢者ケアシステム

今年の5月頃に、経産省が将来不足が見込まれる介護職数を公表しました。

※経済産業省「将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する研究会報告書」より抜粋

なんと、2025年には43万人2035年には79万人もの介護職が不足すると推測されています。少子高齢化で働き手が少なる中、おいうちをかけるように求められる介護職。

この人材不足について、政府はどのような対策をとっていくのでしょうか。

介護人材不足に対する対策とは?

これまで介護職の人材不足について、国の公表から現状を見てきました。これらの課題について、政府はどういった対策を掲げているのでしょうか。

これらの対策について、詳細に見ていきましょう。

介護離職ゼロ!約25万人の介護人材を確保

厚生労働省は、2018年1月に「介護離職ゼロ」を目標として、2025年までに約25万人もの介護人材を確保する政策を公表しました。下記の表をご覧下さい。

介護人材確保対策

※厚生労働省「介護離職ゼロ」の実現に向けた介護人材確保対策について より抜粋。

では、どういった対策をするのか。それぞれ内容を見ていきましょう。

「再就職準備金貸付事業」ってご存知ですか?

政府は、いったん介護職を離れた方を対象に、「再就職準備金貸付」を実施しています。
再就職するには、金銭面での負担がありますから、こちらの制度は有難いですね!

介護福祉士を取得したいけど学費がない…そんなあなたに学費の貸付が開始!

介護福祉士取得を目指す学生を対象に、修学資金の貸付が始まっています。

また、学生以外の方を対象にした施策が公表されました。
中高年で介護職未経験の方をサポートできるように、初心者用講習として「入門的研修」の実施も決まりました。学生から中高年まで、幅広い層へのサポートが実現されます。

最先端技術!介護ロボットの導入支援と事例

政府は体力消耗の激しい介護業務をロボットに行わせるため、積極的な活用を推進しています。また、ICT機能を導入して、システム化を進め、介護業務に集中できるような仕組みづくりも推進しています。

これまで、国が公表している様々な人材不足対策をご紹介してきました。

更に、政府が特に力を入れているのが、「介護職のグローバル化」です。
グローバル化とは何か?対策内容を見ていきましょう!

日本の介護は、世界のKAIGO?人材のグローバル化へ!

政府は、人材不足を解決するため、日本の介護職をグローバル化しようと様々な政策を進めています。
まずは、一つ一つ見てきましょう。

2017年、外国人技能実習事業に介護職種が追加に!

そもそも「外国人技能実習」って知っていますか?

外国人技能実習とは、政府間で交わされた協定書のもと、外国人の方が日本にある企業と雇用関係を結び、出身国において修得が困難な技能等の修得を図るものです。

期間は最長5年とされています。

この技能職種に、介護職が平成29年11月付で追加になりました。

つまり、技能実習事業の制度を活用し、外国人の方を介護職として雇用することができます。介護職の分野で言えば、アジア諸国が中心となっているようです。

実際はどうなの?外国人技能実習生の日本の受入体制は?

技能実習生の受入れには「企業単独型」「団体監理型」の2つ のタイプがあります。

「企業単独型」とは、日本の企業が海外の現地法人や合弁企業、取引先企業の常勤職員を直接受け入れ実施するもの、

「団体監理型」は、事業協同組合等の中小企業団体、商工会議所等が 受入団体となって、実習生を受入れ、傘下の中小企業にて勤務するものを示しています。

この「団体監理型」は、平成2年8月に導入されましたが、 この2つのタイプについて比較すると、技能実習移行者の95.4%が 団体監理型による受入であり、そのうち、事業協同組合等による受入が約8割を占めています。

このように、介護以外の職種でも外国人技能実習生事業は、多く活用されています。

また、呼び込める人数は、常勤職員数の20分の1となっているため、事業所規模に合わせて雇用ができます。ぜひ活用を検討しましょう!

EPAによる外国人介護士の受入数が上昇!!

EPAとは、日本とアジア諸国との経済連携協定の略称を示しています。このEPAに基づき、指定の外国から介護士候補者を受け入れる制度があります。

現在、協定を結んでいるのは「インドネシア」「フィリピン」「ベトナム」の3ヵ国になります。

ここで懸念されるのは、日本語能力の問題だと思います。
「介護職として採用したけど、日本語が通じない!」なんてことがあるのか不安になりますよね。
そういったことも想定して、現地で6か月間、入国後にも6か月間の日本語教育講習を実施しています。この講習で日常会話等をマスターするため、受け入れる側の負担は軽減されますね!

介護福祉士になるため、フォローアップ事業も開始!!

上記のEPAに基づく外国人介護士の受入と共に、日本国内でのフォロー制度もあります。
国家資格である「介護福祉士」を取得するのは、日本人でもそう簡単にいかないですよね。

そういった懸念にも対応するため、
厚生労働省は、2017年から「外国人介護福祉士候補者学習支援事業」を始めています。

民間企業に支援事業を委託し、日本語学習から介護技術までの指導を行います。こうしたフォローアップ制度を上手く活用することが、求められてきますね!

まとめ

ということで、これまで介護人材不足をテーマに、現在の人材不足状況と、国が掲げる人材不足対策を紹介してきました。

こうしてみると、政府は色々な対策を打ち出していることが分かったと思います。案外、知らなかった制度もあったのではないでしょうか。

つまり!これらをまとめると、人材不足を解消・対策するには、以下の2点について積極的に取り組む必要があります!

①行政の指針と政策をしっかりチェックしよう!

今回紹介しただけでも、政府は、介護人材不足に対する政策を5つ以上も進めています。

(1) 再就職準備金貸付事業
(2) 修学資金の貸付
(3) 介護ロボットの導入支援
(4) 外国人技能実習制度の活用
(5) EPAによる外国人介護士の養成事業

こういった政策を知っていると、知らないとでは、人材不足の対策を考える幅が全く違いますよね。
また、ご紹介した政策全体に共通するのは「補助金など金銭面でのサポートがある」ことです。新しいことを始めるにはお金が付き物です。

国の制度をしっかりチェックし、上手く活用していきましょう。

②外国人介護士を積極的に受け入れていこう!

先程、ご覧になって頂きましたが、政府は特に海外人材の受け入れに力を入れています。
受入の方法は、「技能実習事業制度」「EPAによる外国人介護士の育成・受入」など、多岐に渡たり、どの制度も日本語の教育を実施した上で、受け入れることが出来ます。

介護職はコミュニケーションは第一ですから、こういった制度を活用して、

積極的に外国人介護士を受け入れていきましょう!

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