介護職の「夜勤専従」って、どんな働き方?「介護 夜勤」のメリット・デメリット

泊まり型の介護施設で正社員として働く場合、避けて通れないのが夜勤業務。
最近、夜勤専従スタッフの求人情報の多さに目を引かれます。それだけ夜間に働ける人材を必要としている介護施設が多い裏付けといえます。実際、過去に働いた施設にも何人か在籍していました。
介護施設でこれから夜勤に入る予定の人や夜勤専従としての勤務を考えている人の疑問や不安を解消するため、夜勤業務の実態に迫ります。

介護夜勤の勤務時間に種類はあるの?

夜勤の勤務形態

一般的に介護施設における夜勤形態は2交代制または3交代制に分かれます。

■2交代制
1日の勤務を日勤と夜勤の2つに分け、日勤スタッフから業務引き継ぎの後、2時間休憩を含む16~18時間の勤務となります。
2日分働くことになるため、勤務時間は長くなりますが夜勤明けの翌日が休みになるため、ゆっくり身体を休めることができます。

■3交代制
1日の勤務を日勤・準夜勤・夜勤の3つに分け、それぞれ1時間休憩を含む8時間勤務となります。
勤務時間は2交代制より短くなりますが、夜勤明けの日は公休扱いになります。明けの翌日に出勤する必要があるため、交代制と比べると疲れが取れにくいです。夜勤回数が増えれば増えるほど、夜勤明けの疲れた状態で過ごす休日が増えてしまいます。

どちらも一長一短があるため、自分のライフスタイルや条件を踏まえた上で夜勤ができるかどうかを判断してください。
特に1人夜勤の場合は仮眠が取れません。名目上の休憩時間はありますが、場合によっては休憩さえままならないこともあります。

どんな仕事をするの?

実際の夜勤業務について時系列を追ってお伝えします。

■事前準備
出勤して最初にするのは管理日誌や申し送りノートの確認。これは日勤に入る場合と同じです。

■夕方の申し送り(日勤→夜勤)
定刻になったら日勤スタッフからの当日の申し送りと翌朝の予定確認を行います。当日の利用者に関する特変情報や外泊中、翌朝外出予定の利用者を確認します。

■夕食準備/誘導
夕食準備に入り、日勤のスタッフと協力して介護が必要な方の離床に入ります。
利用者が食事ホールに揃い次第、配膳を始めます。必要に応じて利用者の食事介助を行ない、食事を済まされた方から順に配薬をします。
服薬が済んだ利用者を居室へ誘導して就寝介助を行ないます。離床時と同様に車椅子の利用者など介助が必要な方を優先します。
食事を済まされた利用者が全員居室に戻られたら就寝介助は終了です。

■配薬/排泄介助
定刻になったら安否確認を兼ねて眠前薬の配薬を行ないます。必要に応じて排泄介助を行ないます。

■休憩
一段落ついたところで夕食タイムです。
業務ではありませんが、長丁場では息を入れない翌朝まで身体がもちません。この至福のひと時にナースコールが鳴ると正直イラっとします。余談ですが、カップラーメンを食べている時などは対応から戻ると麺が伸びきっていたりします。

■安否確認(例:0時・3時・6時)
2~3時間おきにすべての居室を巡回して安否確認を行います。この際、必要に応じて排泄介助を行ないます。眠前配薬時と0時の巡回時は必ず排泄確認をしますが、3時は安否確認のみ行います。ほとんどの方が入眠されているため、夜中に起こすと朝まで寝つけない方が居られるためです。最後の巡回で全ての利用者の排泄介助を行ないます。

■仮眠
夜勤2名体制の場合、安否確認のない時間帯(例:1時~3時、4時~6時)に2時間ずつ交代で仮眠を取ります。
夜勤に入り始めの頃、後輩と一緒に入った際に1時から5時半まで熟睡して後輩の仮眠時間を飛ばしてしまい、大ひんしゅくを買った経験があります。それ以来、夜勤の日には目覚まし時計が必需品になりました。
夜勤の日は昼寝するなどして、仮眠が睡眠にならないように気を付けてください。

■朝食準備/誘導
もう1人の夜勤者と協力して朝食の準備と利用者の誘導を並行して行います。
仮眠を取ったのに頭がスッキリしない時は起床介助に入る前にカフェイン飲料(メ〇シャキとか眠〇打破)がお勧めです。夜勤明けの朝は気を張らないと睡魔に襲われます。

■記録確認
食後の配薬と利用者の居室誘導、後片付けが終わったら夜間帯の特変記録の確認を行います。

■朝の申し送り(夜勤→日勤)
定刻になったら日勤スタッフに夜間帯の様子と朝の予定について申し送りを行ないます。
前日に新しく入居された方が居る場合はその方の夜間帯の様子を必ず申し送りましょう。

日勤スタッフへの申し送りが済んだら夜勤業務は終了です。お疲れさまでした!

夜勤のスケジュール→夜勤のメリット・デメリット

夜勤業務のメリット・デメリットとして主に考えられるのは次のとおりです。

【メリット】

・手当分の収入が増える
・夜勤専従の場合、休みが固定されるため予定が立てやすい
・マイペースで仕事ができて体力的に楽

夜勤のメリットで最初に思い浮かぶのは手当面でしょう。
一般的に常勤社員に支給される手当より夜勤専従スタッフに支給される手当の方が高い傾向にあります。1回20,000円~30,000円という破格の手当を支給している施設はざらにあります。常勤社員でこの手当を得ることはできません。対して夜勤専従スタッフの場合、夜勤・明け・休みのサイクルを1カ月に10回繰り返せば20万~30万円の収入を得ることも可能です。

2つ目は先のスケジュールが立てやすいことです。常勤社員の場合、希望休を除く公休に付いては勤務表が完成するまで知ることができません。その点夜勤専従の場合は3日に1回は休日が付くため、コンスタントに休みが取れる上に先の予定を入れることができます。

3つ目は勤務時間が長いため時間に追われることがなく、日中業務に付きまとう入浴介助やレクリエーションに関わることがないため体力的には楽であるといえます。
ただし、いくらマイペースで仕事ができるからといっても夜勤のパートナーとの協力関係は欠かせません。最低限のコミュニケーションはしっかり取りましょう。

【デメリット】

・生活リズムが崩れ、太りやすくなる
・代替えが効かないため、体調管理の徹底が求められる
・急変リスクと隣り合わせを強いられる

デメリットとしてまず考えられるのは、健康面への影響です。
明けの日は朝食を取った後に寝るパターンが多いと思います。しかし体内に食べ物があると消化にエネルギーが使われるため、寝ても体を休ませることはできません。
明けの日に寝ている途中で目が覚め、二度寝、三度寝した経験はありませんか?就寝前の食事が良くないと言われるのはそのためです。

夜起きて朝まで働く場合、体を動かすためのエネルギーが必要です。夜間にカップラーメンやスナック菓子を食べたりすることはないですか?夜勤を始めてから体重が増えたという話をよく耳にしますが、“夜中に食べちゃう、太っちゃう!”問題は女性にとっては特に深刻な問題といえるでしょう。

2つ目に夜勤は代替えが効かないため、欠勤は絶対に許されません。それほど責任重大なポジションであることを肝に銘じ、常日頃から体調管理に努める必要があります。
無いに越したことはありませんが、どうしても具合が悪かったり、感染症が発症したりした場合は速やかに会社へ連絡してシフト変更を依頼しましょう。しかし何度も繰り返すと信用をなくし、最悪の場合は夜勤シフトから外されることもあります。

3つ目に夜間帯の急変時の対応です。日中帯であれば管理者や現場責任者に連絡して、指示を仰ぐことができますが夜間帯はそう簡単にいきません。
特に一刻を争う緊急事態では、救急要請を自身で行わなければなりません。これは慣れるしかありませんが、最低でも急変時の連絡体制について事前に必ず確認しておきましょう。

ここだけの話。夜勤の楽しみ方

1人夜勤または夜勤のパートナーが仮眠中の時に限りますが、密かな楽しみは普段観る時間のない映画やライブDVDの観賞です。待機時間とはいえボーっと過ごすのはもったいないし、何より夜間は強烈な眠気に襲われることがあります。
さすがに寝るわけにはいかないので、自分が興味のあることをして過ごすのが良いと思います。
私の知人に夜勤の待機中に副業をして仕事を7つこなしている強者がいます!

まとめ

人それぞれ何を最優先するかが異なるため、個人的に夜勤専従が良いか悪いか一概には言えません。
夜勤専従として従事するのでしたら、ご自身のどう働きたいかによってメリットデメリットが見えてくるのかなと思います。

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