どこが違う?「ホームヘルパー2級」と「介護職員初任者研修」
介護に関する仕事や資格は様々で、これから介護について知りたいという方にとっては複雑でわかりにくいものかもしれません。
また、制度の改正による変更なども多いため、さらに難しく感じるのではないでしょうか。
そこで、今回は、「ホームヘルパー2級」と「介護職員初任者研修」の違いについてご紹介したいと思います。
もくじ
「ホームヘルパー2級」が「介護職員初任者研修」に!!
介護保険制度の改正や規定の整備を行い、介護職員の研修過程などの見直しが行われ、平成25年度より「介護職員初任者研修」が実施されています。
背景としては、高齢化の進展や一人暮らしの高齢者の増加などの世帯構成の変化が見込まれる中、老後の生活を支える仕組みとして、介護人材の確保やサービスの質の向上などが課題となっていたことがあげられます。
また、以前は、介護人材の養成体系が複雑で資格取得後のキャリアアップのための道筋なども十分な仕組みがなかったことから、「ホームヘルパー2級」を「介護職員初任者研修」と位置づけることなどにより介護人材の養成体系を整理することになりました。
そのことで「ホームヘルパー2級」の資格はなくなりましたが、平成24年度までに「ホームヘルパー2級」の資格を取得されている方は、「介護職員初任者研修」の修了要件を満たしているものとして扱われ、これまでどおり働き続けることができます。
「ホームヘルパー2級」と「介護職員初任者研修」の主な違いは、以下のとおりです。
・在宅サービスを念頭に置いた研修内容から在宅・施設の両方に対応できる研修内容へ
・認知症高齢者の増加が見込まれることから、「認知症の理解」を科目に追加
・カリキュラムの受講だけでなく、修了評価(筆記試験)を実施
・施設での実習を廃止
介護職員初任者研修とは?
「介護職員初任者研修」は、在宅・施設を問わず介護の仕事に従事したい人が、業務を遂行する上で必要な最低限の知識・技術や考え方を身に付けることができます。
訪問介護などの在宅サービスを念頭に置いた「ホームヘルパー2級」とは違い、施設での介護にも活かせる研修内容となっていますので、活躍の場がさらに広がっています。
研修受講の要件などもありませんので、これから介護の仕事に就きたい、資格を取りたいと考えている方は、まず、「介護職員初任者研修」の資格取得を目指すといいでしょう。
介護職員初任者研修 資格取得するには?
介護職員初任者研修は、研修実施機関で10科目130時間(講義40時間、演習90時間)のカリキュラムを修了する必要があります。
受講形態は様々で、夜間や土日、通信教育などがありますので、自分の生活に合ったものを選ぶことができます。
受講料は、実施機関により異なります。受講料の助成を自治体が行っている場合などがありますので、問い合わせてみるのもいいかもしれません。
介護職員初任者研修 受講カリキュラム
介護職員初任者研修のカリキュラムは表のとおりです。
出典:厚生労働省ホームページ 介護員養成研修(介護職員初任者研修・生活援助従事者研修)参照
カリキュラム修了後には、1時間程度の修了評価(筆記試験)が行われます。これは、研修修了者の質の確保を図るためのものですが、評価の難易度は、「介護職員の入口に位置する研修」であることから、「列挙・概説・説明」ができるレベルが想定されています。
「介護職員初任者研修」取得者の主なお仕事
「介護職員初任者研修」取得者の主な仕事としては、利用者の家に訪問し、家事援助や身体介護を行う訪問介護員や老人ホームなどの施設に入所や通所をしている利用者に対して、食事や排泄の介助、機能訓練などを行う介護職員などがあげられます。
その他、病院などで患者さんの食事や車いすへの移動などの介助をするスタッフとして働くこともできます。
また、介護職員初任者研修を取得したあとに、実務者研修、介護福祉士を目指しキャリアアップすることで活躍の場もより広がりますので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
「ホームヘルパー2級」と「介護職員初任者研修」の違いについてご紹介しました。
介護の仕事は、労働条件が厳しい職種といわれることもありますが、介護を必要とする人やその家族に寄り添い生活を支える、身近な存在として関わることができる、介護をすることで感謝される、そんなやりがいのある仕事ではないでしょうか。
そのことからも介護に関する正しい知識や技術をしっかりと身につけることが重要です。
介護職への最初の一歩を踏み出すための「介護職員初任者研修」、挑戦してみてはいかがでしょうか。